制度解説

育成就労制度とは:技能実習からの移行と2024年法改正のポイント

特定技能ガイド編集部公開: 2026-04-05更新: 2026-04-05読了時間: 約12分

2024年6月、技能実習制度に代わる新制度として「育成就労制度」の 創設を含む改正法が成立しました。従来の技能実習制度が抱えていた 構造的な問題を解消し、外国人材の人権保護と人材育成を両立させることを 目指す新制度について、企業が知っておくべきポイントを解説します。

1. 育成就労制度の創設背景

技能実習制度は1993年の創設以来、「国際貢献」を目的として運用されてきました。 しかし実態としては人手不足を補う労働力として活用されるケースが多く、 低賃金・長時間労働・転籍制限による人権侵害が国内外から批判を受けてきました。

📊 技能実習生の在留状況

出入国在留管理庁の統計によると、技能実習の在留資格を持つ 外国人は依然として多数にのぼります。育成就労制度への 移行は段階的に行われる予定で、経過措置期間が設けられています。

技能実習在留者数(2024年6月)
約40.5万人

政府の有識者会議による最終報告書を受け、技能実習制度を発展的に解消し、 「人材確保と人材育成」を正面から目的に掲げる育成就労制度が 新たに創設されることになりました。施行は2027年を目標としています。

2. 技能実習制度との主な違い

育成就労制度は、技能実習制度の問題点を踏まえ、 複数の重要な変更が加えられています。

比較項目技能実習制度育成就労制度(新制度)
制度目的国際貢献(技能移転)人材確保・人材育成
転籍(転職)原則不可一定条件で可能
在留期間最長5年(1号1年+2号2年+3号2年)最長3年
特定技能との関係制度上は別制度特定技能1号への移行を前提
監理・支援体制監理団体監理支援機関(許可要件を厳格化)
対象分野90職種165作業特定技能の分野に原則一致

ℹ️ 転籍(転職)の条件

育成就労制度では、同一の受入れ機関で一定期間(1〜2年を想定) 就労した後、本人の意向による転籍が認められる見込みです。 ただし、やむを得ない事情がある場合は、この期間を待たずに 転籍できる仕組みも検討されています。

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3. 特定技能への移行パス

育成就労制度の大きな特徴は、特定技能1号への移行を 制度の中核に据えている点です。育成就労の在留期間(最長3年)で 必要な技能と日本語能力を身につけ、特定技能1号の試験に合格して 移行するという一貫したキャリアパスが設計されています。

移行に際しては、技能評価試験と日本語能力試験(JLPT N4相当以上)への 合格が必要とされる見込みです。受入れ機関には、外国人が試験に合格 できるよう育成計画を策定し、適切な研修機会を提供する義務が課されます。

⚠️ 経過措置に注意

現行の技能実習制度から育成就労制度への移行には経過措置期間が 設けられます。現在技能実習生を受け入れている企業は、 経過措置の具体的な内容が確定次第、速やかに対応計画を 策定する必要があります。詳細は法務省・出入国在留管理庁の 公式発表をご確認ください。

4. 企業が今から準備すべきこと

育成就労制度の施行(2027年目標)に向けて、外国人材を受け入れている 企業や今後受入れを検討している企業は、以下の準備を進めることが重要です。

まず、現在の監理団体が新制度の「監理支援機関」として 許可を受けられるか確認することが必要です。新制度では監理支援機関への 要件が厳格化されるため、現在の監理団体の対応状況を把握しておきましょう。

次に、受入れ人材の育成計画を見直すことが求められます。 育成就労制度では、特定技能1号への移行を前提とした体系的な 育成プログラムの策定が必要となります。OJTだけでなく、 日本語学習や技能試験対策の機会を計画的に提供する体制を 整備しておくことが望ましいです。

ℹ️ 最新情報の継続的な確認を

育成就労制度の詳細な運用ルールは、今後の政省令で定められていきます。 出入国在留管理庁や法務省の公式サイトで最新情報を継続的に 確認することをお勧めします。また、具体的な対応については 行政書士や専門のコンサルタントにご相談ください。

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