特定技能1号完全ガイド:14分野の対象業種・在留期間・取得条件を解説
2019年4月に創設された「特定技能」制度は、深刻な人手不足に直面する 日本の産業分野において、即戦力となる外国人材を受け入れるための在留資格です。 本ガイドでは特定技能1号の制度全体像を、出入国在留管理庁の公開データを もとに詳しく解説します。
1. 特定技能1号制度の概要
特定技能1号は、特定の産業分野において「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を 持つ外国人に付与される在留資格です。在留期間は通算で最長5年、家族の帯同は 原則として認められていません。
📊 特定技能在留外国人数の推移
出入国在留管理庁の統計によると、特定技能1号の在留外国人数は制度開始以降 急速に増加しています。2025年末時点での在留者数は大幅に拡大し、 政府が掲げる受入れ見込み数に向けて着実に推移しています。
特定技能1号の主な特徴として、受入れ機関(雇用主)または登録支援機関による 支援計画の策定・実施が義務付けられている点が挙げられます。これは外国人が 日本での生活に円滑に適応できるよう、住居の確保や行政手続きの補助など 包括的な生活支援を行うものです。
2. 対象14分野と受入れ状況
特定技能1号の対象分野は、当初12分野でスタートし、その後の見直しを経て 現在は14分野に拡大されています。各分野の受入れ見込み数は5年ごとに 政府が閣議決定で定めています。
| 分野 | 主な業務内容 | 受入れ見込み数(2024〜2028年度) |
|---|---|---|
| 介護 | 身体介護、生活支援 | 135,000人 |
| ビルクリーニング | 建物内部の清掃 | 37,000人 |
| 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業 | 鋳造、金属プレス、機械加工等 | 173,300人 |
| 建設 | 型枠施工、土工、内装仕上げ等 | 80,000人 |
| 造船・舶用工業 | 溶接、仕上げ、塗装 | 36,000人 |
| 自動車整備 | 日常点検整備、定期点検整備 | 10,000人 |
| 航空 | 空港グランドハンドリング、航空機整備 | 3,550人 |
| 宿泊 | フロント、企画・広報、接客 | 11,200人 |
| 農業 | 耕種農業、畜産農業 | 78,000人 |
| 漁業 | 漁業、養殖業 | 17,000人 |
| 飲食料品製造業 | 食料品の製造・加工 | 139,000人 |
| 外食業 | 調理、接客、店舗管理 | 53,000人 |
| 自動車運送業 | トラック、バス、タクシー運転 | 24,500人 |
| 鉄道 | 運転士、車掌、軌道整備等 | 3,800人 |
ℹ️ 2024年の分野拡大について
2024年3月の閣議決定により、「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の 4分野が新たに追加されました。特に自動車運送業は深刻なドライバー不足 (いわゆる「2024年問題」)への対応策として注目されています。
3. 取得条件と必要な試験
特定技能1号の在留資格を取得するためには、原則として以下の2つの試験に 合格する必要があります。
(1)技能試験:各分野の所管省庁が定める技能評価試験に合格すること。 試験は国内外で実施され、分野ごとに試験内容や実施頻度が異なります。
(2)日本語試験:「日本語能力試験(JLPT)N4以上」または 「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」に合格すること。 介護分野ではさらに「介護日本語評価試験」の合格も求められます。
⚠️ 技能実習2号修了者の試験免除
技能実習2号を良好に修了した方は、同一の業務区分であれば技能試験と 日本語試験の両方が免除されます。ただし、異なる分野への移行を希望する場合は、 移行先の技能試験に合格する必要があります。具体的な免除条件については、 行政書士や出入国在留管理庁にご確認ください。
4. 在留資格取得までの手続き
特定技能1号の在留資格を取得するまでの一般的な流れは以下の通りです。 なお、個別のケースにより必要書類や手続きが異なるため、 具体的な申請については行政書士等の専門家にご相談ください。
ステップ1:技能試験・日本語試験への合格(または技能実習2号の良好修了)
ステップ2:受入れ機関との雇用契約の締結
ステップ3:1号特定技能外国人支援計画の策定
ステップ4:在留資格認定証明書交付申請(海外から)または 在留資格変更許可申請(国内から)
ステップ5:査証(ビザ)の発給・入国(海外からの場合)
ℹ️ 登録支援機関の活用
受入れ機関が自ら支援計画を実施できない場合、「登録支援機関」に 支援業務を委託することができます。登録支援機関は出入国在留管理庁への 登録が必要で、全国に多数の機関が登録されています。