特定技能の在留期間更新手続き|必要書類と注意点を徹底解説
特定技能の在留資格は、付与された在留期間が満了する前に更新手続きを 行う必要があります。更新を怠ると在留資格を失い、不法残留となってしまうため、 受入れ機関と外国人本人の双方が手続きの流れを正しく理解しておくことが 重要です。本ガイドでは、特定技能の在留期間更新許可申請に必要な書類や 申請時期、審査のポイントを出入国在留管理庁の公開情報に基づいて解説します。
1. 在留期間更新の基本ルール
特定技能の在留期間は、出入国管理及び難民認定法に基づき、以下のように 定められています。
| 在留資格 | 1回の在留期間 | 通算上限 | 更新回数 |
|---|---|---|---|
| 特定技能1号 | 1年、6か月、または4か月 | 通算5年 | 通算5年に達するまで更新可能 |
| 特定技能2号 | 3年、1年、または6か月 | 上限なし | 制限なく更新可能 |
特定技能1号の「通算5年」とは、過去に特定技能1号で在留した期間を すべて合算した期間を指します。途中で出国した期間は含まれませんが、 一時帰国で出国していた期間は原則として通算に含まれます。 また、異なる分野間で特定技能1号の在留資格を変更した場合も、 それぞれの在留期間が通算されます。
📊 在留期間更新の許可率
出入国在留管理庁の統計によると、特定技能の在留期間更新許可申請の 許可率は概ね95%以上で推移しています。不許可となるケースの 多くは、書類の不備や雇用条件の変更に起因しています。
なお、特定技能1号の通算5年の上限に達した場合、同じ特定技能1号としての 更新はできません。特定技能2号への移行、他の在留資格への変更、 または帰国のいずれかを選択する必要があります。
2. 必要書類一覧と準備のポイント
在留期間更新許可申請に必要な書類は、外国人本人が準備するものと 受入れ機関が準備するものに分かれます。
外国人本人が準備する書類:
(1)在留期間更新許可申請書(出入国在留管理庁所定の様式)
(2)写真(縦4cm×横3cm、撮影から3か月以内)
(3)パスポートおよび在留カードの提示
(4)住民税の課税証明書・納税証明書(直近1年分)
(5)健康保険証の写し
(6)年金の加入を証明する書類(ねんきん定期便等)
受入れ機関が準備する書類:
(1)特定技能雇用契約書の写し
(2)雇用条件書の写し
(3)1号特定技能外国人支援計画書の写し
(4)支援実施状況に関する届出書の写し
(5)受入れ機関の登記事項証明書(法人の場合)
(6)受入れ機関の決算書類(直近2事業年度分)
(7)労働保険料の納付証明書
(8)社会保険料の納入証明書
⚠️ 書類準備の注意点
証明書類には有効期限があるものがあります。課税証明書や納税証明書は 申請日から3か月以内に発行されたものが必要です。また、 受入れ機関の決算書類は最新の事業年度分を用意してください。 書類に不備があると審査に時間がかかるため、申請前に行政書士に チェックを依頼することを推奨します。
3. 申請時期と審査期間の目安
在留期間更新許可申請は、在留期間の満了する日の3か月前から 申請が可能です。出入国在留管理庁は、在留期間満了日のおおむね 3か月前から受付を開始しています。
推奨される申請スケジュール:
在留期間満了日の2〜3か月前に申請を行うことが推奨されます。 審査期間は通常2週間〜1か月程度ですが、繁忙期(年度末の3〜4月、 年末の11〜12月)は審査に時間がかかる傾向があります。
| 時期 | やるべきこと |
|---|---|
| 満了3か月前 | 必要書類のリストアップと収集開始 |
| 満了2〜3か月前 | 申請書類の作成・確認、出入国在留管理局への申請 |
| 申請後2週間〜1か月 | 審査結果の通知を待つ(追加資料の提出を求められる場合あり) |
| 許可通知後 | 新しい在留カードの受け取り(手数料4,000円の収入印紙が必要) |
申請中に在留期間が満了した場合でも、満了日から2か月間は 引き続き在留することが認められています(特例期間)。ただし、 特例期間中に不許可となった場合は速やかに出国する必要があるため、 余裕を持った申請が重要です。
4. 更新が不許可になるケースと対策
在留期間更新許可申請が不許可となる主なケースとその対策を 理解しておくことで、リスクを最小限に抑えることができます。
ケース1:税金・社会保険料の未納
外国人本人の住民税や社会保険料に未納がある場合、不許可の 原因となります。給与天引きの場合は受入れ機関側で確実に 納付されていることを確認してください。
ケース2:届出義務の不履行
受入れ機関は、四半期ごとの受入れ状況に関する届出を出入国在留管理庁に 提出する義務があります。この届出を怠っていた場合、更新審査で マイナス評価となる可能性があります。
ケース3:雇用条件の不適切な変更
当初の雇用契約から報酬が大幅に減額されている場合や、 業務内容が変更されている場合は、不許可の原因となることがあります。 雇用条件を変更する場合は、事前に出入国在留管理庁への届出が必要です。
ケース4:支援計画の不実施
1号特定技能外国人支援計画に記載された支援が適切に実施されていない 場合、更新が認められないことがあります。定期面談の記録や 支援実施の証拠書類を保管しておくことが重要です。
ℹ️ 不許可になった場合の対応
万が一、更新が不許可となった場合は、不許可の理由を確認し、 再申請が可能かどうかを検討することになります。出国準備のための 期間(通常31日)が付与されますが、その間に行政書士に相談しましょう。 再申請に向けた書類の補正や、他の在留資格への変更の可能性を 検討することができます。
5. 特定技能2号への移行と在留期間
特定技能1号の通算5年の上限が近づいた場合、特定技能2号への移行を 検討することになります。2号は在留期間の上限がなく、 家族の帯同も認められるため、長期的なキャリア形成が可能です。
特定技能2号への移行要件は分野ごとに異なりますが、一般的に 以下の条件を満たす必要があります。
(1)各分野の特定技能2号評価試験に合格すること。2号の試験は 1号よりも高度な技能を要求され、合格率は分野によって 30〜60%程度とされています。
(2)一定期間の実務経験を有すること。分野により必要な経験年数は 異なりますが、概ね3年以上の実務経験が目安です。
(3)受入れ機関との新たな雇用契約を締結すること。2号は支援計画の 策定義務がないため、1号とは異なる雇用条件の設定が可能です。
2号への移行手続きは「在留資格変更許可申請」として行います。 1号の在留期間が満了する前に変更申請を行い、許可を得る必要があります。 移行のタイミングや必要書類については、特定技能2号のガイドを参照してください。また、特定技能1号の制度全体像や特定技能試験の詳細も併せてご確認ください。具体的な手続きについては行政書士に相談しましょう。