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特定技能vs技能実習 徹底比較:制度の違いと企業の選び方

特定技能ガイド編集部公開: 2026-04-05更新: 2026-04-05読了時間: 約14分

外国人材を受け入れたいが、特定技能と技能実習のどちらを 選べばよいかわからない。そんな疑問を持つ企業の担当者は 少なくありません。両制度は目的も仕組みも大きく異なり、 2024年には技能実習に代わる「育成就労制度」の創設も 決まりました。本記事では両制度の違いと選び方を解説します。

1. 制度の目的と成り立ちの違い

特定技能制度と技能実習制度は、そもそもの制度目的が異なります。 技能実習制度は1993年に創設され、「開発途上国への技能移転」 すなわち国際貢献を目的としています。一方、特定技能制度は 2019年4月に施行され、「国内の人手不足への対応」として 即戦力となる外国人材の受入れを目的としています。

この目的の違いが、両制度のさまざまな仕組みの違いに 反映されています。技能実習では「技能を学ぶ」立場であるため 転籍(転職)が原則として認められていませんが、特定技能では 「労働者」として同一分野内での転職が可能です。 特定技能1号の基本的な制度内容については特定技能1号ガイドをご参照ください。

📊 両制度の在留者数推移

特定技能制度の在留者数は急速に増加しており、 技能実習からの移行者と海外からの新規入国者の 両方が増えています。一方で技能実習の新規入国者数は 制度改正の議論もあり変動が見られます。

特定技能在留者数(2025年6月時点)
約29万人

2. 8項目で見る制度比較

以下の表で、特定技能と技能実習の主要な違いを整理します。 企業の受入れ方針を決める際の判断材料としてご活用ください。

比較項目特定技能技能実習
制度の目的人手不足の解消(労働力確保)国際貢献(技能移転)
在留期間1号:通算5年 / 2号:上限なし1〜3号合計で最長5年
転職の可否同一分野内で転職可能原則不可(やむを得ない場合を除く)
家族帯同1号:不可 / 2号:可能不可
受入れ人数枠介護・建設を除き上限なし常勤職員数に応じた人数枠あり
監理団体の要否不要(登録支援機関は任意)必要(企業単独型を除く)
技能水準相当程度の知識・経験(即戦力)未経験から段階的に習得
対象分野16分野(2024年改正後)90職種165作業(2024年時点)

特定技能は即戦力の確保に適しており、技能実習は 未経験者を育成しながら活用するモデルです。企業の人材戦略に 応じて使い分けることが重要です。特定技能2号への移行については特定技能2号ガイドで詳しく解説しています。

⚠️ 転職リスクへの備え

特定技能では同一分野内の転職が認められているため、 より待遇の良い企業へ移るケースがあります。人材の定着には 適正な報酬水準の維持、キャリアパスの提示、良好な職場環境の 整備が不可欠です。転職を防ぐために不当な制限を課すことは 法令違反となるためご注意ください。

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3. 育成就労制度への移行と今後の展望

2024年6月に成立した改正入管法により、技能実習制度は 「育成就労制度」に改編されることが決まりました。 施行は2027年頃を予定しており、現行の技能実習制度から 段階的に移行する見込みです。

育成就労制度の主な特徴として、制度目的が「人材の育成と確保」に 変更されること、一定の条件下で転籍(転職)が認められること、 特定技能1号への移行を前提としたキャリアパスが設計されること などが挙げられます。これにより、育成就労から特定技能への 一貫した外国人材のキャリア形成が制度的に整備されます。 育成就労制度の詳細は育成就労制度ガイドをご参照ください。

ℹ️ 経過措置について

育成就労制度の施行時に技能実習で在留している方には 経過措置が設けられる予定です。現行の技能実習生が 不利益を被ることのないよう、在留資格の切替えや 移行に関する詳細なルールが今後整備されます。 最新情報は出入国在留管理庁の公式発表をご確認ください。

4. 企業はどちらを選ぶべきか

両制度の選択にあたっては、自社の業種・規模・人材ニーズを 明確にすることが出発点です。以下のような観点で 検討することをお勧めします。

即戦力が必要な場合、受入れ人数枠に制約を受けたくない場合、 長期的な雇用を見据えたい場合は特定技能が適しています。 一方、未経験者を自社の方針に沿って育成したい場合、 技能実習の対象職種に該当する業種の場合は技能実習 (今後は育成就労)の活用が有効です。

いずれの制度を選ぶ場合も、外国人材の受入れに伴う コスト(人材紹介手数料、支援費用、住居費等)を事前に試算し、 計画的に予算を確保することが重要です。費用の詳細については特定技能の費用まとめをご参照ください。また、受入れの全体的な流れは外国人採用フローの解説記事で確認できます。

ℹ️ 専門家への相談を推奨

制度選択は企業の経営戦略に関わる重要な判断です。 入管業務に精通した行政書士や、外国人材の受入れ実績が 豊富な登録支援機関に相談することで、自社に最適な 受入れ方法を見つけることができます。 登録支援機関の選び方については登録支援機関ガイドをご参照ください。

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